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青森県立美術館は、青森市安田の三内丸山遺跡に隣接する美術館です。2006年7月に開館し、青森の風土と関わりの深い作家の作品を軸に、多様な芸術を紹介しています。棟方志功や奈良美智らのコレクション、シャガールの大きな舞台背景画、特徴的な建築が主な見どころです。展示を見るだけでなく、音楽や演劇、舞踊など、空間を生かした活動も行っています。 青木淳が設計した建物は、隣接する遺跡の発掘現場から発想されています。地面に掘り込まれた溝と、上から重なる白い建築の間に空間をつくる構成で、白く整えられた展示室と、土の床や壁が現れる展示室が共存しています。同じ館内でも部屋によって素材や光の印象が変わり、作品と空間の関係を確かめながら巡れます。館内の案内表示には菊地敦己のデザインが用いられています。 中心となるアレコホールでは、マルク・シャガールがバレエ「アレコ」のために描いた背景画を展示しています。1942年、アメリカに亡命していた時期に舞台美術の依頼を受けて制作した作品で、1点の大きさは縦約9メートル、横約15メートルに及びます。四層吹き抜けのホールで大画面を見上げる体験は、額の中の絵画を見る感覚とは異なります。青森県は全4幕の背景画のうち3点を収蔵しています。 コレクション展は、年を4期に分け、会期ごとのテーマに沿って収蔵作品を選ぶ方式です。青森市出身の棟方志功は、自ら木版画を「板画」と呼び、黒と白を基調にした表現を展開した作家です。館は油彩や板画を含む作品を所蔵し、その歩みを紹介しています。関野凖一郎、工藤甲人、工藤哲巳、寺山修司などの作品も収集しており、郷土の美術を一人の作家に限らず幅広く捉えられます。見たい作品の出品状況は、各期の展示案内で確認できます。 成田亨の作品も、館の個性を伝えるコレクションです。成田は彫刻家であり特撮美術監督でもあり、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」のヒーローや怪獣、宇宙人、メカのデザインを手がけました。館は《ウルトラセブン決定稿B案》などを所蔵しています。よく知られたキャラクターを、形や構造を考える美術家の仕事として見直すきっかけになります。成田作品は企画によって展示されない場合があるため、これを目的にする際は事前確認が必要です。 奈良美智の《あおもり犬》は、屋外に設置された高さ約8.5メートルの立体作品です。弘前出身の奈良については、館内でも展示替えをしながら作品を紹介しています。《あおもり犬》に近づく屋外の連絡通路は冬季に閉鎖され、館内からガラス越しに見る方法もあります。通路には階段があり、移動だけで往復10~15分ほどかかります。歩行が難しい人やベビーカー利用者は、館のスタッフへ相談する案内になっています。 親子向けには、絵本や積み木、お絵かきなどを楽しめるキッズルームがあります。土日祝日の決まった時間帯に開室し、冬季は閉鎖されます。託児の場ではないため、大人と一緒に利用します。授乳やおむつ替えには1階の授乳室が用意され、ベビーカーの貸出も行っています。子どもと訪れる場合は、美術館全体の開館時間とは別にキッズルームの開室日と時間を確認できます。 ミュージアムショップでは、コレクションをモチーフにしたポストカードや文具、美術書、展覧会カタログなどを扱っています。カフェ「4匹の猫」は、八角堂を眺められる場所で、青森県産の食材を生かした軽食やスイーツを楽しめます。どちらも美術館の観覧券を持っていなくても利用できます。展示鑑賞の前後に食事や買い物を組み合わせることができ、作品に関する本や品を探す時間も過ごせます。 所在地は青森市安田字近野185です。JR青森駅からは三内丸山遺跡行きの市営バス、新青森駅からは「ねぶたん号」を利用し、いずれも「県立美術館前」で下車します。青森駅から約20分、新青森駅から約10分が乗車時間の目安です。車での来館に対応する無料駐車場もあります。通常の開館は9時30分から17時までで、入館は16時30分まで。休館日と展示替えの日程は公式カレンダーで確認できます。 なお、照明設備などの改修により、2027年9月27日から2028年4月14日まで全館休館する予定が公表されています。展示室の照明のLED化や建物・設備の改修に加え、キッズルームを冬季も利用できるようにする工事が予定されています。改修後の設備や利用方法は、再開時の案内で確認できます。先の旅行を計画する場合は、この休館期間とその後の開館案内も確認して訪問日を選べます。
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