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京都市伏見区の中村ローソクは、1887年に創業した和・京蝋燭の製造販売店です。寺院で使う蝋燭から家庭用、贈答用の絵蝋燭まで手がけ、竹田の工房では職人の仕事に触れる体験教室も開いています。絵を描く時間を楽しむコース、蝋燭そのものを作るコース、製造と絵付けの両方に取り組むコースがあり、関心や滞在時間に合わせて選べます。京都の工芸を完成品として眺めるだけでなく、その材料や作り方まで知りたい人に向いた場所です。 和蝋燭の特徴は、櫨の実から得られる木蝋などの植物性の蝋と、い草の髄を用いた芯にあります。中に空洞がある芯は空気の通り道となり、大きく揺れる炎を生み出します。蝋燭の大きさに使われる「匁」は重さの単位で、一匁は3.75グラム。形や絵柄だけでなく、材料、芯の構造、炎の動きにも目を向けると、普段見慣れた蝋燭とは違う手仕事の特徴が見えてきます。お供えや贈り物にも使われる絵蝋燭には、火を灯さずに花の代わりとして飾る楽しみ方もあります。 工房の製造では、和紙にい草の髄を巻いた芯を竹串に通し、木型にセットして蝋を流し込みます。型をあらかじめ温めるのは、流した蝋が温度差によって固まるのを防ぐためです。型から抜いた生地には手で蝋を重ね、上部と底部の余分な蝋を切り落として姿を整えます。朱色の製品では朱色の蝋を上掛けし、絵蝋燭はさらに絵付師の手を経て文様が加わります。一見すっきりとした一本にも、芯を扱う作業、型を使う作業、表面を仕上げる作業が重なっています。 製造から装飾までじっくり取り組む「和蝋燭製造絵付け体験」は、2時間から2時間半が目安です。和蝋燭の歴史や特徴、使われる場所を学び、職人の仕事や道具の説明を受けながら、型流し、仕上げ、絵付けへと進みます。工程には朱掛けの体験も組み込まれています。最後には感想や質問を話す時間があり、作業中に気になったことを確かめられます。参加人数は1名から6名が基本で、6名以上の場合は事前の問い合わせが必要です。材料が蝋燭の形になる過程と、自分の表現を加える時間の両方を経験できます。 製造に関心がある人には、所要時間が最大1時間半の「和蝋燭製造体験」があります。歴史や特徴について聞いた後に型流しを行う内容で、定員は6名まで。一方、「和蝋燭絵付け体験」は約30分から1時間で、蝋燭に好きな絵や文字を描くコースです。職人から描き方を教わりながら取り組めるため、図案だけでなく文字を主役にすることもできます。こちらは1名から20名が基本となり、20名以上の場合は問い合わせが必要です。製造系と絵付けでは時間も受け入れ人数も異なるので、複数人で参加する際は希望する内容をそろえて問い合わせると計画を立てやすくなります。 体験料金は税別で、製造絵付け体験が5,500円、製造体験が3,500円、絵付け体験が2,500円です。参加したい日、人数、希望するコースを伝え、開催できる時間と当日の料金を確認してから予定を組んでください。 店内で扱うのは蝋燭だけではありません。燭台、芯切りなどの関連道具に加え、香や線香も販売しています。蝋燭には棒型や碇型、大小の手描き絵蝋燭、香りを添えた品などがあり、灯す道具として使うのか、絵柄を飾って楽しむのか、贈答にするのかによって選ぶ視点が変わります。体験で材料や形の違いに触れてから商品を見ると、装飾の細かさや一本ごとの仕上がりにも関心が広がります。 伝統をつなぐ取り組みも、この店を知るうえで大切な要素です。蝋燭づくりは、櫨の実を収穫する人、蝋を精製する人、芯や木型、竹串を作る人など、多くの仕事に支えられています。中村ローソクは原料となる櫨の栽培プロジェクトへの参加や、香り付き・インテリア向けの商品づくりにも取り組んでいます。昔からの製法を受け継ぎながら、現代の暮らしで和蝋燭に触れる機会を増やそうとする姿勢が、商品と体験の両方につながっています。 所在地は京都府京都市伏見区竹田三ッ杭町57-8。体験の集合場所も同じ工房で、地下鉄烏丸線「竹田駅」3番出口から徒歩約5分です。店舗の通常営業時間は9時から17時30分で、不定休。出店などで店頭業務を休む日もあるため、見学や体験を目的に訪れる場合は事前の連絡が必要です。問い合わせは電話075-641-9381、メールinfo@kyorousoku.jpで受け付けています。工房で過ごす時間を確保して訪れたい、京都・伏見のものづくり体験です。
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