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笠間日動美術館は、茨城県笠間市の丘陵地に広がる美術館です。日動画廊を創設した長谷川仁・林子夫妻により、1972年に開館しました。長谷川家の屋敷があった土地に、企画展示館、フランス館、日本館の三つの展示館と野外彫刻庭園が設けられています。作品を見ながら建物の間を歩き、竹林や木々の表情にも目を向けられる構成で、屋内の鑑賞と庭園の散策を組み合わせて過ごせます。 企画展示館では、洋画や日本画、彫刻、写真、工芸など、幅広い分野の展覧会を開催しています。1階には絵画の展示に対応する可動パネルがあり、2階には軸装の日本画や工芸品などを紹介できる大型のガラスケースを備えています。同じ建物でも会期によって展示の性格が変わるため、好きな作家や関心のあるテーマを入口に、訪問時期を選べます。企画展の前後は展示替えがあり、常設展のみの公開となる期間もあります。 この美術館を知るうえで、画家・鴨居玲も大切な存在です。企画展示館の1階には「鴨居玲の部屋」が設けられ、収蔵作品を紹介する公式のギャラリーでもその仕事に触れられます。人物の姿や表情を通じた表現に関心がある方は、来館時の展示案内で公開内容を確認してみてください。作家に焦点を当てた企画展が開かれることもあり、所蔵作品と展覧会の双方から、一人の画家を知るきっかけを探せます。 フランス館の2階では、フランスにゆかりのある画家を中心に作品を紹介しています。印象派のモネやルノワール、後期印象派のファン・ゴッホやセザンヌ、エコール・ド・パリのシャガールや藤田嗣治など、さまざまな時代の表現が収蔵されています。展示には入れ替えがあるため、特定の作品が常に見られるわけではありません。訪問日の展示を確かめながら、色彩や筆の運び、題材の違いを比べてみるのも楽しみ方の一つです。 同館1階には、デッサン室と長谷川仁・林子記念室があります。デッサン室では海外の画家に加え、藤島武二や梅原龍三郎、安井曾太郎ら日本の画家の作品も紹介しています。創設者を顕彰する記念室では、長谷川家に伝わる蒔絵や螺鈿細工の箪笥、漆器類などに触れられます。絵画だけを目的に訪れても、素描や工芸へと関心を広げられる場所です。それぞれ展示替えがあるので、前回と異なる作品との出会いも期待できます。 日本館では、美術館と関係の深い画家の仕事をたどれます。「奥谷博記念室」では時代と題材を変えながらその画業を紹介し、「金山平三・佐竹徳記念室」では、日本の風景を描いた二人の作品と関連資料を展示しています。小品展示室では、彫刻やアンティークドールなどを季節に応じて紹介しています。風景の描き方や立体の素材など、自分なりの視点を一つ持って巡ると、異なる展示室の間にもつながりを見つけやすくなります。 日本館1階のパレットコレクションは、この館ならではの見どころです。画家が使ったパレットには、絵の具の配色に加えて、花や人物、風景などが描かれたものもあります。指を入れる穴や油壺の形を生かした表現にも注目してみてください。完成した絵画とは異なる身近な道具から、作家の好む題材や工夫に目を向けられます。国内外の画家のパレットを収蔵し、展示を入れ替えながら紹介しています。 野外彫刻庭園は、フランス館と日本館の裏手から佐白山公園へ続く丘陵の一部に設けられています。木内克、本郷新、柳原義達、舟越保武らの彫刻が、竹林や花木を背景に配置されています。屋外では作品を見る方向を変えると、背後の風景や光の当たり方も変わります。展示館の移動には坂道があり、フランス館・日本館から企画展示館へは緩やかな上りです。歩きやすい靴を選び、天候と体力に合わせて散策の時間を取るとよいでしょう。 企画展示館3階の「カフェ・ド・ローブ」には、屋内席とオープンテラスがあり、佐白山周辺の季節の風景を眺めながら休憩できます。コーヒーカップは画家アンドレ・ブラジリエによるデザインで、食器にも美術とのつながりがあります。フランス館1階のミュージアムショップでは、館のコレクションをもとにしたグッズや出版物などを扱っています。カフェの営業時間は美術館より短いため、利用したい場合は鑑賞の順序と合わせて確認してください。 館内には車椅子とベビーカーが用意されていますが、授乳室やベビールームは設けられていません。小さな子どもと訪れる場合や移動に配慮が必要な場合は、必要な設備や経路を事前に相談すると安心です。分館の「春風萬里荘」は北大路魯山人の旧居を移築した別の施設で、所在地は笠間市下市毛です。本館とは開館日や季節の時間設定が異なるため、両方を巡る予定ならそれぞれの案内と移動方法を確認してください。 所在地は茨城県笠間市笠間978-4です。JR笠間駅からは徒歩やバス、JR友部駅からはタクシーなどで向かえます。通常は3〜11月が9時30分から17時、12〜2月が10時から16時30分で、最終入館はいずれも閉館30分前です。休館日は月曜日を基本とし、祝日と重なる場合や年末年始は扱いが変わります。観覧料、企画展の日程、交通機関の時刻を公式案内で確かめ、複数の展示館を巡る時間に余裕を持って訪れましょう。
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